デッキの音が悪くなった時の対処 (短報) 9 May 1998

とにかく掃除です。
だいたいのデッキの場合、ピンチローラーの汚れのための音飛び、音揺れが起こっています。また、ヘッドの酸化、油汚れです。ヘッドの磁化もあります。
テープデッキでもビデオデッキでも、慣れてくると症状をみただけでどこが汚れているか分かりますが、そんなことを今から覚えたところでもうすでにMDやDVDの時代なので意味もあまりないでしょう。そこで、今回はどれでも一気に直す簡単復活法です。

1)まず
カセットクリーナ乾式、湿式、綿棒を準備します。
で、綿棒に湿式カセットクリーナの液をしみこませ、消去ヘッド、録再ヘッド(見れば分かります)→ピンチローラー(ゴムのタイヤのようなやつ)の順に拭きます。綿棒が黒くなりましたか?これは湿式カセットクリーナを長持ちさせるための下準備みたいなものです。

2)次に
湿式カセットクリーナ表裏→2分待つ→乾式表裏→湿式→2分→乾式の順にクリーニングする。その場合、説明書に従ってください(って、液をいれるだけだけど)

3)試聴
きれいに聴けるようになりましたか?1本だけではそのカセットが劣化しているかもしれないので何本か聞いてみましょう。
ちなみに、CDを聞いた場合も音がくもって聴こえる場合は当然原因はアンプかスピーカなので諦めましょう(なおしてもいいけど)

4)それでもだめなら
もう一回(2)以下を繰り返してみてください。また、ヘッドデマグネタイザー(ヘッドイレーサー)を購入してきて、使ってみてください。

これで、テープにもやさしいデッキメカの掃除が完了です。
テープデッキもそうそう壊れるものでもないので大切に使ってくださいね。

本当は、悪くなったと気づく前に日頃から掃除しておくのが長持ちさせる秘訣ですが、特にラジカセやミニコンポのデッキ部などはあまり使わないと思うので、使用したいときにいつでも掃除できるよう、クリーニングカセットを常備することをおすすめします。
値段の参考は、乾式クリーニングテープは2〜300円、湿式は700〜1200円、デマグネタイザーは2、3千円といったところです。

この短報内容によって生じた2次的な損害は関知しません。ただ、この通り掃除を行って壊れるデッキはないと思うので、掃除をしていい音で長く使ってください。


簡単な語句説明 24 May 1998 2 Jun.(追加)

ピンチローラー:文中にもありましたが、カセットデッキ(プレイヤー)内のゴムのローラーの部分。これはテープの表が触れ、鉄粉(磁性体)・ほこり等が付着しやすい。
あまりピンチローラを汚したままにすると走行不良、テープに付着物が付いたりしてよくない。
テープはフィルムの上に直に磁性体を貼り付けているだけなので粉が散る。また、新しいテープほどデッキを汚しやすい。

キャプスタン(関連用語):ピンチローラの近くにある金属の棒。これが回転し、テープの一定な走行を実現する。これが汚れるとテープが滑り、音が飛んだりする。

ヘッドデマグネタイザー(ヘッドイレーサー):実は、一般のミニコンやラジカセのデッキは、たまに録音をしてやれば、ヘッドが磁化する事はほとんどない。問題は、再生専用(プレーヤー)、3ヘッドデッキの再生ヘッドである。まあ、気分的なものでしょうか。

デッキ:録音、再生の機能を同時に備えたメカニズムを普通、こう呼びます。再生のみの場合は、「プレイヤー」です。
例:ビデオデッキ、MDデッキ、ラジカセのカセットデッキ部、など
また、「ウォークマン」は「カセットプレイヤー」、CDは「CDプレイヤー」、再生専用据え置きビデオは「ビデオカセットプレーヤー」となっているはずです(表現は違うかもしれません)
ちなみに、単体据え置きのものを「デッキ」とし、ラジカセのようなポータブルな製品を「カセットレコーダー」、「カセットコーダー」として区別する人(メーカー)もあるようです。

ゲイン:一般的にいって、ボリュームだと言えるでしょう。ここでは、録音の音量レベルを手動で調節するもの。

バイアスノイズ(ヒスノイズ):厳密には違うものでしょうが、同じ意味として使用されることが多いように思います。
これは、テープ自体が持つノイズで、再生時に「サー」という音が入りますが、その音のことです。
ドルビーB-NR使用で10db(デシベル)、約1/3に低減できます。


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