ポジション毎特性の報告 (短報:要約) 8 May 1998 10/24(補足)


ノーマルテープは馬鹿にされがちですが、テープバイアスノイズがやや大きいだけで、侮れない力を発揮します。
ソースはあまり選びませんが、常に音が鳴っているような音楽(ロック・ポップスなど)のほうがノイズが目立たなくなります。
ノーマルテープはドルビーNRの併用で結構いい音が得られます。しかし、感度がいちじるしく悪い、カセットシェルのシールド効果が低い(つまり安いテープ)といったときには逆に音が悪くなってしまうことがあるので注意しましょう。
ただ、ノーマルテープはもっとも各社のグレード間で実力差があると思います。会社で選ばずに、グレードを検討しましょう。
磁性体は酸化鉄で、テープの色はこげ茶がふつうです。

II
ハイポジションは周波数特性がフラットです。また、バイアスノイズが小さく、小さい音も聞き取りやすいことも特徴です。テープのグレード間の実力差は、はっきりしないようです。
ソースは、レベルの上下の波が大きく、無音部があるような曲(クラシックなど)が向くでしょう。ストリングスなどもテープの実力を発揮できれば透明に再生するはずです。
一般にバスドラムやベースなどが強い楽曲は飽和レベル(最大入力)の関係からつぶれたりすることがあり、不向きのようです。
そういった場合、CDからのラインレベルを下げるしかありませんが、そういった機能がない場合にはノーマルテープを使用すると意外と解決することがあります。
また、ヘッドの汚れ、磁化かもしれないので「デッキの音が悪くなったら」を併読してください。
磁性体は酸化クロム、テープの色は黒です。

III
鉄クロムテープは最近生産されていない上、デッキもないし、どんなのか知らないので割愛します。

IV
メタルテープは、私自身はノーマルテープがすごくなった、というイメージです。ので、基本的にソースはノーマルと同じものが得意でしょう。
ただ、対応していないデッキも多いのも事実です。対応のハイコンポなどではCDとほぼ同等のダイナミックなサウンドが得られるはずです。
注:本当は、CDと全く同じではないんですがね。そこがアナログテープの面白いところでもあります。
磁性体は鉄、テープの色は黒です。

この短報要約はあくまで目安です。デッキ等システム構成、テープグレードで変わることをご承知ください。また、内容は主観的なものを多く含み、誤認等があるかもしれません。
また、この短報要約を読んだことによって2次的に生じた損害等は当方では関知しません。

追記 24 May 1998
ドルビーNR・Bは、デッキによってはその動作反応が悪く、余計にこもった音になる事があります。
聞き比べて、よい方にしましょう。同じに聞こえるなら、offで録音する方が無難です。

追記 1998 10/24
ノイズ特性は、ノーマル100に対してハイポジ70、メタル65といいますが、テープにはポジションごとに音量のキャパシティーが決まっていて、これは音量調節付きのデッキでその最大に調節した時に得られる値です。
したがって、音量調整の機能のないデッキではいつでも同じレベルで録音されるので、ノイズのレベルはノーマル100に対してハイポジ82、メタル85程度となります。
これもテープのグレードによって変わってきますので参考程度ですが、安いデッキではメタルテープの性能が生かされないことも分かると思います。
また、クラシックなど音が大きい時と小さい時の波が大きい楽曲の時にはハイポジションテープが向いているというのもこのことが絡んでいるといえるでしょう。


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