赤魔道科学研究室
(仁研究室)


− 室長挨拶 −

関連書物が発見できず慢性的な情報不足です。
しかも実行するとなるといろいろ制約が多く実生活にも悪影響がでますので、方法などは掲載を見合わせました。ご了承ください。

なお、出典などのお問い合わせには応じられませんのであしからず。また、当ページは自由に参考にしていただいてかまいませんが、当ホームページの名前は秘密、ということで。


0、はじめに
魔法は、現在の歴史の中にもしばしば実在の物として扱われている。魔術、妖術、呪術、また、占術、錬金術、忍術といったものも考えれば実に多種多様である。
しかし、現在の歴史では魔的なものは異端であり、糾弾の対象となってしまっている。そのため記述のほとんどはゆがめられたものとなっており、例えば西洋において行われた「魔女狩り」は魔法を使うといった本当の意味の「魔女」を捕まえたというわけではない。
また、現在まで続いている儀式や団体などもあるが、より虚構色をつよめ、アンダーグラウンドに潜ってしまい実態がつかめない。
そこで、当研究室では歴史として残されている過去、実体が不明な現在の情報のいずれにもよらず、いわば第3の情報により魔法の解析を試みた。
第3の情報ということで、内容についての照会には応じられないので了承いただきたい。また、もとネタが分かった人がいても、その場でニヤリとし、そっとしておいていただきたい。


1、魔法とは
魔法とは、物理的な変化を起こしめるのに、より神秘的な方法を用いたものを言う。起こる現象については意外と簡単に説明ができる。魔道書として残されているもののほかさまざまあるだろうが、当研究所所蔵の魔道書の一部を解読したので、同じような内容を抜き出し挙げてみよう。
なお、魔法の見出しは出典にしたがっている。

魔道書A
雷撃魔法:空気中に電位差を生じさせ、稲妻を発生させる。
火炎魔法:物質を構成する粒子を高速で振動させ、高熱を生み出す。
冷却魔法:空気をその場から高速で拡散させる。

魔道書B
電撃魔法:物質中に強制的に電子の流れを発生させる。
火焔魔法:空気を高速で一箇所に集中させる。
凍結魔法:表面付近の水分を強制的に蒸発させる。

魔道書C
裁きの雷:ラムウとの契約による。
地獄の火炎:イーフリートとの契約による。
ダイアモンドダスト:シィヴァとの契約による。

魔道書C以外は、結構わからなくもないことが書いてあった。
ほかに、以下のようなものもある。

麻痺:コリンエステラーゼの生成を阻害する。
転生:受精卵の塩基配列を自分と同じにする。
回復:新陳代謝を促進する。
移動:自分以外の粒子の運動を止め、その間に歩く。

コリンエステラーゼ阻害とは、神経を緊張状態に保たせるということである。回復と移動の説明はかなり情けない。
転生のこの説明では、自分のクローンを作るというだけのようなので、できた個体に記憶が受け継がれるとは考えられない。また、成長に時間がかかってしまうといった不都合な点も考えられる。

いずれにしても、現在の科学技術の常識で考えればその現象の実現には大がかりな装置が必要か、あるいは不可能である。
それを実現せしめるのが「神」の存在である。現在でも生命の誕生そのものには大きな謎の部分が残っており、「神」の存在が唱えられることもある。

#契約
契約ということについて多少説明を要すると思う。
魔道士の魔法は呪文によって実現するが、呪文のほとんどは神を呼び出すための音によって構成される。神と言っても多数あり、新しい神や従属的な神は意志を持たず、呼び出しを受けるとすなわち効果を術者に与える。
しかし、位の高い神は自らの意志を持ち、術者が自らを呼ぶに値するものかどうかを選ぶようである。そういった神を呼び出したい場合に行われるのが「契約」である。
契約は術者の能力によって可否が決定したり、契約の深さに違いが生じたりするらしい。また、「契約」によってその従属神による魔法の効果が上がったり、無効にしたりといったことも可能のようである。


2、魔道士とは
魔道士とは魔法という技能を身につけたもののことを言うが、一般的にいう「魔女」とは区別される。
また、能力により称号が変化することがあり、ある魔法系体では、

魔術士 < 魔道士 < 魔人

というふうになっている。
さらに、専門とする魔法に攻撃系が多い場合は黒魔道士、同じく回復系の場合は白魔道士というが、魔法を操る僧侶や司祭も存在する。そういった者たちもやはり「魔道士」と称するのが適切であろう。
ほかに、魔法生物を専門に呼び出す者たちもいる。魔法生物を呼び出す魔法を別に「召還魔法」ということがあるが、彼らの称号を召還魔道士とはせずに、「召還士」というのが一般的なようだ。召還士にも能力によって名称に違いがあり、
幻術士 < 召還士 < 魔界幻士
といわれているようである。

#賢者について
魔法には一般的に言う黒魔法、白魔法といった分類、さらにその下に流派とも言うべき細かなスタイルがある。
魔道士の中には黒魔法と白魔法など、複数の魔法の系統を極めた者がいる。そういう彼らを「賢者」と呼ぶことがある。賢者と「魔人」のもっとも大きな違いは、魔人は単独の分野を徹底的に極めた者であり、賢者は多くの魔法分野に精通しているというところにある。
といっても、「魔人」が1つの魔法分野にのみしか通じていないとは限らない。つまり、黒魔法の魔人でありながら賢者である、といったこともあり得るわけである。

#相対レベル
魔道士の能力は、その魔道士が先述の「契約」を行うことが可能な神のステータスによってうかがい知ることができる。ところが、契約の方法、また、度合い(深さ)に違いがあるため、ただ単に契約している神を知るだけではその魔道士の能力はわからない。
そのため、便宜上、魔道士の能力を表すためには、契約した神の等級によって決められた相対的なレベルが用いられている。相対レベルは特にレベルを決定する団体などはないので、あくまで目安である。
具体的には、1級神と契約できる者の相対レベルは10であり、以下、2級神は9、といった具合に決められている。ただし、5級神以下は従属神が多数登場し、分類が難しくなる。一般的には相対レベルが8以上の者を魔人、4以上の者を魔道士、それ以下を魔術士と称するようである。

#魔女について
魔道士の魔法は呪文により実現するが、魔女のそれは多くの触媒を必要とする点が異なっている。
魔道士の魔法は呪文の暗記、または魔道書の音読によって術者の精神力の続く限り繰り出すことができる(一部を除く)が、魔女の場合、蝙蝠の羽、にんにく、ムカデ、蜥蜴のしっぽといったものを要する。
これは、魔道士の魔法は一つの「技能」といったものに例えられるのに対して、魔女の魔力は先天的な能力であるとか、普段の儀式などによって自己改造を行った結果として生じているといった違いによるようである。

#早口
魔道士は呪文で魔法を実現するため、長い呪文を早く詠唱するいわゆる「早口」や、「かまず」に最後まで詠唱するといった能力が要求される。
多くの精神力が求められるのはこういったことにもあり、周りがどうであろうととんでもない速度でしゃべるには凄い集中力がないと出来ないであろう。


3、魔道士のスタイルについて
魔道士は主にゆったりしたローブをまとっている。それについては、理由として次のようなことが言われている。
まず、金属類は重いため、精神の集中に支障がある場合があるということらしい。また、神によっては銀以外の金属を嫌うといったこともある。記述によっては、金属類が魔法の効果を分散させたり、有効距離の減少、自分に効果が跳ね返ってくる場合もあるらしい。
剣を装備しないことが多いのは先述のことによるが、盾が使えないのは手を効果の起点(変化の発生源)とすることが多いため、両手が使えないと不便だからのようだ。
結局、最も理想的と経験的に見出されたのがそういったスタイルのようである。

#縫い目
魔道士のローブは糸によって縫い合わされている部分がない。穴のあいた布のような物を作り、それをかぶっているだけということのようである。ゆったりしているのはそういうことに原因がある。
魔道士はその身体の周りに物理的なエネルギーを溜め込むことがあるが、その場合に縫い目がエネルギーを分散、またはエネルギーの流れを阻害してしまうらしい。もっと俗的に言えば、「気」が乱れるというわけである。
そういうわけで、破れた場合の修復にも糸が使えないのでかなり丈夫な素材が使われている。上等な物になると、次節のAのように魔法をかけ、より強度を上げた物もあるようだ。また、一般には筒状の布を縫い目のないように作ることは非常に困難であるが、かなりの手間をかけ一般的なローブ状に縫うことなく仕立てた物もあるらしい。


4、魔法に関わる「物」について
魔法に関わる器具はいろいろあるが、魔法は「物理的変化」を起こすものであり、術者なしに効果を持続できないという性格から魔法自体を封じ込めたりはできない。そのため、器具には以下のようなものがある。

A、魔法をかけて改良したもの
剣に魔法をかけて切れ味をよくしたり、強度を上げたりしたもの。ほかに、燃えにくくした布の服などもある。そのような剣の場合、一般に「魔剣」とは言わない(「魔法剣」とする場合はある)。

B、神を封じたもの
神は通常、時間や空間を超えてあらゆるところに分散しているが、ある神々は特定の玉(ぎょく)や剣などに住まうことがある。そういった「物」を、それぞれ魔石、魔剣などという。
神が住まうものを所有していれば、魔法の詠唱終了から効果までの時間が短くなるほか、魔法の効果が大きくなることもあるらしい。物によっては詠唱なく効果を発揮するものもあるという。

C、術者の能力を向上させるもの
ほかに、術者の能力を向上させるものがあるが、どうして効果があるのかは今のところ不明である。おそらく、魔法の効果の妨げとなる要素を取り除いたものであるとか、本章のA、Bと関わるものなのであろう。


5、得意と不得意について
魔道士個人の魔法分野の得意・不得意は基本的に術者の好みや慣れである。しかし、一部前述の「契約」の時に神が魔道士の人間性を選り好みしたり、呪文にどうも発音しにくい音があったりした場合には術者の好みに関係なく不得意になったりする。


6、魔道士の体力について
魔道士は体力がないというのが一般的な認識である。根本的に食欲がないというのがその原因のようであるが、原因は今のところ分かっていない。しかし、意図的に食べないというよりは自然と食欲が低下するようである。
摂取エネルギーが少ないため動きが緩慢になりがちで、判断能力もやや低下する。そのため武術と魔道を両立させることは、先述の金属類を身につけられないことを含めて考えると、困難であるといえる。
また、病気になったり、皮膚が荒れたりするので注意が必要と思われる。さらに、栄養バランスが悪いために精神状態が不安定になったりすることもあるかもしれない。

#変な薬
触媒については先に述べたが、魔道士はほかに妙な小瓶等を持っていることがある。それはただ単に栄養補助食品だったり持病の薬だったりする。他人に対しては回復や補助的に支援をする魔道士も、健康は良くない人が多いらしい。

#睡眠について
体力に関わることかはわからないが、魔道士は眠りがかなり浅いようである。ちょっとしたことで目が覚めてしまったり、疲れがとれず1日中だるかったりして不便。


7、心理魔法について
魔法には効果が目に見えるもののほか、人の心を操るなど効果がわかりにくいものがある。なかでもチャーム(魅了)がわかりやすく、その機構とレベル別の効果について解説してみよう。(レベルは相対レベル)

Lv2 心拍数を上げる
最も簡単な方法で、交感神経系に働くもの、ホルモンバランスに働くものがある。
人間は心理的に、特定の人に会ったとき心拍数が上がるとその人に興味があると考える傾向がある。そういった性質を利用したものがこれである。特定の人と1対1にならないと効果が薄い、頻繁に出会う必要があるなど欠点がある。

Lv6 視覚効果
相手の意識に幻覚を結ぶ。特に鮮明な映像でなくてもよく、身体の一部で特徴を示すものや、身につけているものでも効果がある。睡眠中の意識レベルが低下した状態は、特に像を結びやすいということである(夢に登場させるということ)。しかし、映像を与えるだけなので戦略的に行わないと予期せぬ効果が出たりするといった欠点がある。
相手に具体的映像を与えると、Lv2の「心拍数を上げる」との複合でさらに効果が強くなる。

Lv10 記憶を書き換える
もっとも直接的かつ高度な方法である。人間の脳は化学変化や電位の変化によって働いているので、「物理変化」をおこす魔法でそういった流れを意図的に変化させることができる。したがって、架空の出来事を相手の記憶に刷り込むことも可能である。
しかし、記憶などを意図した内容に変更することは情報量や個人差などが関わり大変困難であるという。

神経・ホルモン関連ではほかに催眠や催病、視覚関連では催恐怖などもある。記憶の書き換えは転生後の記憶導入のほか、洗脳もできると思われる。


8、性別について
基本的には男性も女性も条件は同じである。しかし、転生が女性に有利など、一部、性別によって有利、不利がある。