電池のQ&A

細字:2001年7月3日
青字:2012年1月5日

Q:四角い電池はどうして9Vなのですか。
A:ふつうの1.5Vの電池を6個重ねた形になっています。006Pという名前です。
昔のトランジスタは動かすために6〜8V必要で、ラジオや計算機などに電池を組み込む場合、小型で便利ということでよく使われていました。すぐ使えなくなって(使い切って)しまうのが欠点でした。
今では低電圧で動くトランジスタが開発され、出番がなくなってしまいました。おまけにインバータも高性能化して、以前は直流電圧は下げることしかできなかったのに小さい部品で上げることができるようになりました。おかげで006Pはいよいよ見なくなってしまいました。

Q:TVなどのリモコンはどうして電池が2本必要なのですか。
A:信号を伝える赤外線を発射するための部品が3V必要なためです。
最近は1本でいいものもあるそうです。ただ、中には電圧を3Vに上げる仕組みがあります。

Q:乾電池は充電できますか。
A:できません。危ないので絶対にやめましょう。
一部の本で充電できるなどという記述もみますが、乾電池の中で起こる化学変化が逆の方向に進むわけではなく、乾電池の中で塩素ガスが発生し危険です。特に新品の乾電池はすぐに塩素ガスが発生し、液漏れ、最悪の場合は爆発します。充電池も安くなったので高価な乾電池充電器を購入する理由は全くありません。本当にやめましょう。

Q:ファミコンのバッテリーバックアップ電池は交換できますか。
A:できます。任天堂本社、支社、営業所に送りましょう。
一本当たり1050円(税込み)です。任天堂に送る費用は自己負担ですが、返送の費用はいらなかったと記憶しています。代金引換便で返ってきます。端子部の掃除もしてくれます。電池がなくなっていなかったときは、端子部の掃除のみをした状態で返ってきます。その場合無料です。現在は当然できません。

Q:薄膜燃料電池とはどのようなものですか。(石田さん)2001/6/9
A:燃料電池の中でも一般的なアルカリ燃料電池は、水素と酸素(酸素は空気中から得る)という化学物質から電力をとりだします。
水素を注ぎ足せばまた利用できることが、内燃機関などの燃料の感覚に合致するのでこう呼ばれています。電池と言うよりは「発電装置」といった方がイメージに合うかもしれません。英語では”Fuel cell”といいます。
燃料電池の考えは、ちょうど水を酸素と水素に電気分解する行程の逆です。この方式は100年も前に考えられましたが、単セルあたりの起電力が小さいこと、水素の扱いが難しいことが当初からの欠点です。
薄膜燃料電池(Thin film fuel cell)は、燃料電池を薄い膜のように作り何層にも重ね起電力を稼ぐもので、最近はポータブルタイプのコンピュータの電源として期待されています。ほかの化学電池のように貴重な金属類を消費しないのでクリーン、減極剤(電気エネルギーをとりだす化学物質)の重さがないので軽量、水素さえ準備できればいくらでも電流を取り出せるので大容量、といいことずくめに見えますが、最も重要な、水素をためておくボンベや、どこでどうやって補充するのかなど克服するべき課題はまだあります。
結局この10年でその点は解決されず、アルカリ型燃料電池は大型の(天然ガスなどから水素を抜き取って燃やしてお湯を沸かすついでに電気を起こす)設備に多少採用されている段階です。

Q:目覚まし時計など電池一本で動くものがあるとやりくりに困ります。(SNIさん)2001/6/23
A:電池はほとんどの場合偶数で売っていますから、奇数で使いたいときには確かに困ります。
3本の場合は、ほとんどの器具がすぐ電池を使い切ってしまうタイプだと思いますので6本のパックを買えばよいでしょう。時計の場合、一年間は保ちますから保証が2年の乾電池を置いておくのは得策ではありません。私の場合は3本の器具と組み合わせたり、時計を偶数台にして電池を同時に替えるなど、半端が出ないようにしています。
LEDの懐中電灯が普及して、電池3本のものが増えました。設計者のセンスを疑います。


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